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第2回:第88回全国高校サッカー選手権決勝感想
 なんともそのまんまのタイトルだけど、第88回(2009年度)全国高校サッカー選手権大会決勝を見た感想をつらつらと書いてみる。カードは山梨学院大学付属 対 青森山田である。

■前半: 蹴り合いの中でリズムをつかむ山梨学院大付属
 序盤は両者リスクを嫌ってロングボールの蹴り合いの様相になる。選手権決勝ともなる舞台では、緊張も伴うだろうし、体の硬い序盤は蹴り合いになるのは仕方ない。予想通りといえば予想通りの展開である。しかし、この蹴り合いの段階において早くも山梨学院大付属がリズムをつかみだす。山梨学院大の選手はロングボールのこぼれ球に対する反応が素早く、ことごとくこぼれ球を自分たちのものにしていったのである。守備においても素早く、組織的なプレスでボールを奪い、フォワードのドリブルを中心に攻め立てた。そして前半11分、その山梨学院大に先制点が生まれる。キャプテンの碓井が斜め45度のペナルティーエリア付近からファーにするどいシュートを放ち、それが見事にサイドネットに突き刺さる。トラップからシュートまでが早く、キーパーが取れなくても仕方ない、素晴らしいシュートだった。
 しかし、自分はまだこの段階ではわからんな、と思っていた。確かに山梨学院大が押してはいたが、その山梨学院大にリズムをもたらしていたのは中盤での素早いプレスであった。プレッシングからの守備でリズムを作るチームは往々にして後半運動量が落ち、バランスを欠いて攻められることが多い。今回の山梨学院大もこのパターンに当てはまり、後半は青森山田が攻めるだろうと僕は思っていた。前半はそのまま山梨学院大がリードして終わった。青森山田はいいところなし。

■後半: 攻める青森山田、カウンターの山梨学院大
 後半は序盤から僕の予想通り青森山田がリズムをつかみだす(ニヤリ)。ボランチのキャプテン椎名と、注目の2年生プレーヤー柴崎がうまくボールをちらして攻撃を組み立てていく。しかし、耐える山梨学院大のプレスも以前健在で、決定的な場面は作らせない。徐々に青森山田の攻めが激しさを増していくが、なかなか決定的な場面が作れないという状況がしばらく続く。後半20分を過ぎたあたりから、山梨学院大のプレスが弱まってきて、僕は青森山田にとってチャンスが来たと思った。しかし、この日の青森山田のフォワードには終始センスを感じることができなかった。ポストプレーはうまいのだが、せっかくいいリズムで中盤からつないでいっても、シュートをふかしたり、簡単にパスミスをするのだ。これではいくら中盤がつないでも点は入らない。結局、青森山田にとって決定的な場面はコーナーキックからの1回のみであった。対する山梨学院大はカウンターから効果的な攻撃を幾度かしかけ、あわや2点目という場面を何回か作っていた。試合はそのまま1対0で終了した。

■総評: 勝敗を分けた個の力
 青森山田の敗因は何だったのだろうか。上でも書いたが、やはりフォワードのできがよくなかったことは大きいだろう。全体的なゲームの運び方は悪くなかった。先制されてもあわてずじっくりチャンスを待っていた。そして後半になると、中盤のパス回しが機能しだしリズムはやってきた。しかし、後はフォワードが点を取るだけ、という場面でフォワードのボールを持ったときのアイデアが足りなかった。単調なシュートやパスミスに終わっていた。
 また、こういうときには中盤に点を取れる人物がいると良いのだが、それがいなかったのも原因のひとつであろう。注目の柴崎は、ボールをもらったら簡単にはたくプレーに終始していた。これはこれでとてもうまいし良いのだが、エースなのだから、自分が点を取る、という気持ちをもう少し出しても良かっただろう。なぜなら、もし柴崎がエースで実力が飛びぬけているなら、自分で点を取りに行くのが一番点が入る確率が高いのだから。対する山梨学院大のキャプテン碓井のできは素晴らしかった。得点のシュートも素晴らしかったし、守備も光っていた。よくボールを受けて、的確にちらしいていた。碓井の個の力がゲームを決定づけた、そんな印象すらある。
 さて、そんなこんなの決勝だったけど、全体的にスペクタクルに欠けた感は否めない。確かに、自分にとっては面白かったが、今日のゲームは組織的なプレッシングによる守備が光る、玄人好みなゲームであった。素人の方が見たときは、将棋のプロの対局を見ているときのように、何がうまい手なのかわからず、どこが面白いのかつかみにくいゲームだったのではないだろうか。これからのサッカー人気を考えると、もっとつないだり、意表を突いたプレーが出たりするゲームになって欲しかった。高校生にそれを要求するのは酷ではないと信じている。
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